6BM8S アンプの製作

組み立て

いつもなら,底板以外を組み込んだケースを作ってから,部品を取り付けていくのですが,今回はコンパクトにしたため,取り付けでハンダゴテを当てるのが難しいところが出てくる事も考えられるため,上面板だけである程度を完成させてから組み込みます.まずは,上面板にソケット,トランス,電解コンデンサを組み込みます.6BM8のソケット取り付けネジを活用してラグ板も固定します.ECL82/6BM8はドライブ段,出力段が一緒になっているため,周辺部品が込み入ってきます.電源配線,ヒータ配線を済ませたら,込み入った球周りを先に組み込んでしまいます.その後,ケースに組み込み,端子類との配線,アース配線をします.アースはコツがいる技術ですが,回路図をにらめっこしながら考えれば,問題ない配線も可能です.プリアンプほどシビアでもありませんから,ある程度適当でもノイズが気になるほどのトラブルは無いでしょう.なお,私は2点アース,スターアースを使い,1点アース(アース母線方式)は行いません.これは音質的な理由からです.ただ,下手に配線するよりは,1点アースの方が良い結果になるでしょう.つまり,1点アースは音質的メリットがあるのではなく,トラブルを回避しやすい方式なのです.

配線は細い線,太い線を用いますが,これもある程度の知識が必要です.太い線がゴテゴテしているのは好きではないので,太さが必要な箇所を除き,AWG24のテフロンチューブ線で配線しています.ACが流れる場所は,できる限りアース電位の線と共に拠ります.入力端子から可変抵抗までは距離があるため,一般的にはノイズを防ぐため,シールド線を用いますが,シールド線は音が悪いので,用いません.きちんと配線し,きちんとアースを取ればノイズは拾いませんから問題ありません.

6BM8Sアンプ内部
Fig.2-4-1 内部図.まだ調整中のため,使わない配線,現在は無い部品も見られる
6BM8Sアンプ真空管付近
Fig.2-4-2 ECL82/6BM8周辺の配線.混み合っている.青い抵抗が理研RMG,銀色のコンデンサが東一.右の茶色のコンデンサは松下

このコンテンツは 2003年に別のサイトに掲載したものを加筆、修正して転載しています。