ROHM 2SA933S は ROHM(ローム)の汎用小信号シリコントランジスタ。エピタキシャル・プレーナ構造、NPN型。ROHM 2SC1740S とコンプリペア。
TO-92形状の 2SA933 のスペックをそのままに、TO-92S サイズに収めたものが 2SA933S。どちらも Pc ≦ 300mW。
コンプリペアの 2SC1740S と Cob や fT などもスペック的にはほぼ同じで、2SA1740S は Ic ≦ 150mA、2SA933S は Ic ≦ 100mA (2SA933AS は Ic ≦ 150mA)だけ異なる。
一般的にミューティング用の品種を除き、このクラスの品種では、Vebo ≦ 4~5V の品種が多い。本品種は珍しく、Vebo ≦ 6V(2SC1740S は 7V)となっている。
写真のものは、2023年に共立エレショップで購入したもの。TO-92 より小型の、SC-72(TO-92S) の形状になっている。hFE は中間の、Rランク(180-390)。
同一ロット品からサンプルを 5個、適当に抽出して hFE を測定したもの。Ic = 2.0mA付近の数値で、260.2、260.3、259.8、258.0、259.4 と恐ろしいほど、まったくバラつきなし。測定条件は Vce = 6.0V。
以下の特性は、hFE : 260.2 の個体を計測。
Vce-Ic特性。データシートに記載されたものと同じく、能動領域では Vce依存が少なく、横一直線に伸びている。Ic間も一定で、Ib依存が少ない。こんなキレイな特性は他に見たことがない。測定条件は Vcc = 7.0V。
アーリー電圧(VA) は約55V。これは PNP の品種としては非常に優秀な数値。
飽和領域のVce-Ic特性。こちらも低圧から申し分ない特性。
サンプル5個(hFE測定と同じ個体)の Vbe-Ic特性。測定条件は Vce = 6.0V。
(続く)