NEC 2SC945 は NEC(日電、日本電気)の開発した汎用小信号シリコントランジスタ。エピタキシアル形、NPN型。NEC 2SA733 とコンプリペア。
TO-92形(EIAJ : SC-43)。2SC945 は定番の品種のため、各社がセカンドソース品を作っている。ただし、本品種のセカンドソース品は、本品種をコピーしたというより、他の汎用品種(東芝 2SC1815 のセカンドソース、2N3904 など)のチップを流用してマーキングだけ変えたものが多く、性能面で本品種より劣る。
長らく、三洋 2SC536、日立 2SC458、三菱電機 2SC711A、松下電器 2SC828A などと並んで定番の汎用品種として重宝されたが、東芝が 2SC1815 を開発したことで定番品種の座を奪われ、2000年代には廃品種となり NEC、日立、三菱電機のディスクリート半導体事業を継承したルネサスでは製造されていない。
NEC 2SC2785 はサイズが小さい(TO-92S)だけでほかは同じモノ。hFE のランク分けが細かい。サイズが小さいため、大量生産のメーカ製では重宝された。
本品種には、2SC1843 という後継機があるが本品種ほど普及しなかった。
hFE は低めの Qランク(135-270)。
同一ロット品からサンプルを 5個、適当に抽出して hFE を測定したもの。Ic = 1.0mA付近の数値で、208、214、224、234、204 とほぼバラつきなし。測定条件は Vce = 6.0V。
以下の特性は、hFE : 208 の個体を計測。
Vce-Ic特性。低電流、能動領域では Vce依存が少なく、横一直線に伸びている。Ic間も一定で、Ib依存が少ない。測定条件は Vcc = 7.0V。
アーリー電圧(VA) は約99V。
飽和領域のVce-Ic特性。こちらも低圧から申し分のないキレイな特性。
サンプル5個(hFE測定と同じ個体)の Vbe-Ic特性。測定条件は Vce = 6.0V。
(続く)